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GOTOUCHI RAUMEN 全国ご当地ラーメン

旭川ラーメン

概要

人口:36万人/軒数:219軒

1997年頃からブームになった旭川ラーメン。その基本は、加水率の低い縮れ麺に、トンコツと海産物(鯵の煮干し等)で取るスープ、醤油ダレ。九州のトンコツラーメンに近い白濁したスープの店もあるが、魚介が加わる為に後味はさっぱりしている。麺の加水が少ない縮れ麺の為、スープの絡み、吸い込みがよく、麺とスープの一体感が味わえる。スープの表面の脂が膜を作り熱を逃がさないのは、寒冷地の知恵か。具はオーソドックスでボリューム感もそれほど無く、昔ながらのスタイル。

切り歯 加水率(%) 一玉の分量(g) 形状 断面
22~24 26~31 140~150 ちぢれ
スープ トンコツをメインに魚介を加える店もある。醤油メインだが味噌や塩もある。
ネギ、チャーシュー、メンマなどのオーソドックスな物。

地元の主な店:蜂屋、天金、青葉、味のやまびこ、山頭火
首都圏の店 :山頭火、ぺーぱん、旭龍、旭王
ラー博出店 :蜂屋、青葉

詳細

魅惑の香り立つ色白縮れ麺

豊富な海産物をダシに

 旭川は北海道の中央部に位置し、昔から北海道の物流の拠点となっている。海とは無縁の地にありながら、海産物も豊富に流通している。人口、産業、全ての面で札幌に次ぐ北海道第二の都市である旭川は、ラーメンにおいても全国屈指の札幌ラーメンにまさるとも劣らぬ文化を持っている。

 ラーメン店の数も多いし、ラーメンに対する意識も高い。その根拠には、札幌とは全く違う生い立ちを、旭川ラーメンは持っていることが挙げられる。

 札幌ラーメン文化の元祖である「竹家食堂」が、旭川に「芳蘭」という支店の中華料理店を出したことや、札幌の「丸井今井」で流行った中華そばが、旭川の同店に店を出すなど、戦前は札幌の亜流的な位置づけであった。

 戦前に、もうひとつの情報として、八条にある「はま長」という蕎麦店で昭和10年からラーメンをメニューに入れていたという「はま長」創業者千葉力衛氏(故人)の話も残っている。もり・かけそばが10銭の時代にラーメンは20~25銭で売っていた。千葉氏は小樽から来た職人にその作り方を教わったという。「はま長」は今も立派な蕎麦店として八条で営業しており、ラーメンもメニューにある。そのラーメンの味は旭川のスタンダードなラーメンとは違い、東京ラーメンのように澄んですっきりとした味わい。麺も水分の多い細麺で東京ラーメンの麺に近い。

 それに対し戦後は、昭和22年から「蜂屋」「青葉」の二店が店を出し、札幌とは違った海産物をダシに使うラーメンを開発し、独自の食感を持った麺を導入した。戦前はいずれも横浜、東京から発信された麺文化であったのに対し、戦後はそれぞれ全く違った道を歩み始めた。

シンプルな醤油味のスープ

 全国的名代ブームを巻き起こした札幌ラーメンのキーワードは、味噌味と加水の高い黄色く太い麺。対する旭川ラーメンは、加水率の低い、色白の縮れ麺が特徴である。

 水分が少ないから、スープを吸収し、縮れているからスープを良く絡める。麺とスープの一体感といったバランスでは、この上ない特徴を出している。

 札幌ラーメンの麺のコシと歯ごたえとは違う。粉の香りと歯切れという新しいテクスチャーを投げかけた。

 厳冬の地のため脂を多く使い、スープの表面に浮かぶ脂が湯気を立てさせずに熱を逃がさない役割をしている。スープも基本は醤油味で、具もシンプル。札幌のように野菜を載せたりする店は少ない。

 近年は旭川ラーメンも多様化し、味噌ラーメンも当たり前にメニューに入れるようになったが、あくまでスープと麺が主役のシンプルなラーメンは、野菜の旨味を活かした札幌流とは一線を画している。

首都圏でも名乗り挙げる

 ここ1990年代後半、この旭川ラーメンが、ラーメンの街の代表である札幌の地に出店して人気を呼んでいた。1997年には「旭川ラーメン村」もでき、旭川は市をあげてラーメンの振興に取り組んだ。首都圏にも本場旭川の味を出す店が数店名乗りを上げた。新横浜ラーメン博物館の期間限定店でも、旭川ラーメンを紹介し、旭川ラーメンは一躍脚光を浴びた。

 これまで、タレの味がキーワードとなっていた東京の醤油ラーメンに対して、スープの味で勝負するトンコツラーメンが台頭した。昭和60年代から平成にかけて大トンコツブームが巻き起こった。

 旭川ラーメンが受けた理由は、醤油ダレをベースにしながらスープ自体にも力強さをもっているところにある。海産物の旨味を活かしたところも、札幌や九州とは違ったアクセントとなった。

 さて、この旭川ラーメンブーム、札幌ラーメンや九州ラーメンのように、今後もムーブメントを起こすのであろうか。味噌ラーメンやトンコツスープのように、醤油ラーメンとは別メニューとして取り入れられるものではないだけに、それほど大きく広がるとは考えづらい。

 ご当地ラーメンも情報が出そろってきた感があり、今後はブランド名で勝負する時代ではなくなってきたと考えられる。ラーメンもいよいよ戦国時代に突入したという感覚である。

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