出店期間:2023年4月25日(火)~5月15日(月)
佐野実氏の魂宿る ラーメン史に残る一杯
自家製麺・国産小麦の普及、厳選素材など、いまでは当たり前に語られるようになりましたが、そのパイオニアは「支那そばや」創業者の佐野実さん。ラーメンの歴史書があるとするならば、100年後、200年後に必ず語り継がれる職人です。
今回は支那そばやの原点となる鵠沼時代のらぁ麺を、佐野さんが当時書き留めていたレシピをもとに3週間限定で復刻します。佐野さんの創業時の想いが詰まった伝説の一杯をこの機会に是非お召し上がりください。
① スープ
当時のレシピをもとに、佐野氏が食材探求のきっかけとなった名古屋コーチンと蔵王土鶏(香鶏)の丸鶏、豚は当初から変わらず平田牧場のげんこつ、背ガラ等を使用。その他、ホタテ干し、羅臼昆布、数種の節類を使用します。途中からスープでチャーシューを煮る事で厚みが加わります。
② 麺
佐野氏が初めて使用した北海道産小麦「ハルユタカ」を使用。
この「ハルユタカ」は、当時病気に弱く激減した事から、2000年より後継品種の「春よ恋」が台頭します。それ以降、「春よ恋」を使用していますが、今回は復刻支那そばやの為だけに、当時取引していた江別製粉の協力のもと、「ハルユタカ」を主体として当時の麺を再現しました。
③ 具材
山形県平田牧場「三元豚バークシャー」のバラチャーシュー。現在は穂先メンマですが、当時使用していた台湾産の短冊メンマ、九条ネギ、有明産の海苔を使用。
細ストレート醤油
この店舗のお知らせ
お知らせはありません。
本店紹介
支那そばや
住所:横浜市戸塚区戸塚町6002-2
TEL:045-827-3739
https://twitter.com/sanominoru
店主紹介
「支那そばや」創業者・佐野実氏は1951年4月4日、神奈川県横浜市戸塚区に4人兄妹の次男として生誕しました。中学校・高校時代は、新聞配達等のアルバイトをして家庭を支えつつ小遣いを貯め、そのお金で好きだったラーメン店に通っていました。
高校卒業後は、洋食のレストランに就職。それから17年間、洋食のコックとして店を渡り歩き、趣味でラーメン店の食べ歩きを重ねていました。食べるだけでなく、休みの日には自宅でラーメンを作るようになり、次第に独立してラーメン店を開きたいと思うようになったそうです。そして1986年8月6日、藤沢市鵠沼海岸に「支那そばや」を開店。ここから佐野氏のラーメン人生がスタートします。
開店から2年間は苦戦が続いたものの、研究の成果が出て少しずつお客が増えてきました。
食材探求の入口は鶏ガラでした。たまたま手に入った地鶏のガラでスープを取ったところ、これまでより深みのあるスープが出来たのです。そこで、色々な地鶏を試した中、当時(1988年頃)ベストだと思ったのが純系名古屋コーチンでした。その鶏舎はブロイラーのようにケージの中で育てるのではなく、大きな鳥小屋に数十羽の鳥を放し飼いし、餌から水まで吟味され、雑菌や病気を防ぐための予防設備も充実していました。
その時、佐野氏は「こういう食材だけでラーメンを作ったら、安全で美味しいラーメンが作れる、そしてその食材は、生産現場を訪ね、自分の目で確かめたものだけを使いたい」と思ったのです。このことが「食材の鬼」の原点となりました。
「食材の鬼」という異名を持つ佐野氏ですが、最初から食材を追及していたわけではありませんでした。どうすれば美味しくなるのか?という探求心が最終的に食材へと結びついていったのです。